プロダクト系インハウスデザイナーの仕事、主に「業務フロー」の後半部分(黄色のマーカー部)について解説していこうと思います。
プロダクトデザイナーの業務フロー
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商品企画部門と開発設計部門から、企画の概要と仕様の共有
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動向調査
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デザインコンセプト立案
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ラフデザイン検討
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簡易モックなんかも作ってみる
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良さそうなもの数案を商品企画部門と開発設計部門に共有
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詳細デザイン検討
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フルサイズの意匠試作をつくる
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量産設計フォロー
5.簡易モックなんかも作ってみる
ラフデザインで検討したデザインを実際のボリューム感で確認します。
製品の大きさ、把手の握りやすさ、ボタンの位置など実寸で確認します。違和感があればデザインを修正します。
簡易モックの制作方法はいくつかありますが、例えば以下のようなものが挙げられます。
- 3Dプリンター出力
- スチレンボードを使ったペーパーモックの制作
- スタイロ切削による造形
- etc…
確認したい目的に応じて丁寧に作りこむ部分と、そうでない部分は大まかに作ることが多いです。
例えば、把手の握り具合を検証したいのであれば、グリップの造形は自分の意図した形が忠実に再現されているべきですし、製品のプロポーションを確認したいのであれば、アウトラインを再現し、ディテールは作りこまないなど、効率的に作りましょう。
ファイナルモックではないので、確認ができれば良し。という感覚で作ることが多いです。
6.良さそうなもの数案を商品企画部門と開発設計部門に共有
デザインビジュアルと、場合によってはモックアップをセットで関係部門に共有します。
商品企画に対して、どうデザインを検討しアウトプットに至ったか、を論理的に説明していきます。
ここではデザインの方向性だけだなく、色や形、素材などのデザイン仕様に対して、開発期間や開発費用の観点でも摺り合わせを行っていきます。
事業投資額や開発期間に収まることがなければ、デザイン仕様を調整し、計画にフィットするようにしていきます。
この工程は、もう少し前のラフデザインの段階で共有することもあります。プロジェクトによって様々だと思います。
7.詳細デザイン検討
開発チームとモデリングデータのやり取りをしながら、量産品に向けてデザインを調整していきます。
電気製品であれば、中身のユニットの配置や基盤の配置によって思い通りの造形にできない場合もあるので、その際は形状を調整し、形を整えていきます。
逆にデザイナーから基盤を2mmほど内側に移動して欲しいなど要望を出すこともあります。
8.フルサイズの意匠試作をつくる
ある程度デザイン仕様が固まったら意匠試作を作ります。
量産に向けての最終確認です。造形や色、素材、カラーバリエーションなど関係者を集めて最終チェックをします。
制作方法は外注のモックアップ屋に依頼する場合もありますが、自社で製造し、実際に流通される仕様で仕上げる場合が多いです。
9.量産設計フォロー
ここまで来ればデザイナーが関わる機会は減ってきますが、まれに製造ラインにのせた際の造形上のトラブルに対処しなければならない場合があります。
製品にヒケが生じてしまった場合は、Rのかけ方を調整したり、ゲートの位置を変えたりなど改善に努めます。
終わりに
いかがでしたでしょうか?
以上がプロダクトデザイン業務の後半部分となります。
プロジェクト始動から商品の発売までは、業界によって異なります。
1年で発売するものから、3年かかるものまで幅が広いです。
toC 向けの製品は開発サイクルが短い場合が多いので、多くのプロジェクトに参画できるチャンスがあると感じます。
これも企業や業界によって異なるので、気になるのであればインターンシップや面接の際に聞いてみましょう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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