前回の記事に関連して、なぜ工学系プロダクトデザイン学部の進路先が多岐に渡るのかを解説しようと思います。
工学系プロダクトデザインを学べる学部
工学系のプロダクトデザイン学部は以下の名称で呼ばれていることがあります。デザイン工学部、芸術工学部、工学部デザイン学科、工芸科学部など。
総合大学や工業大学などに属している学部です。
工学系プロダクトデザイン学部で学べること
工学を基礎としているため、大学の授業ではインダストリアルデザインに関連する以下のことを学びます。デザインと間接的に関係する範囲を包括的に学ぶことができます。 大学を卒業するためには理工学、経済学、基礎教養などを必修科目として単位取得する必要があります。そのため、大学卒業時には幅広い範囲の素養を身に付けることができるのです。
理工学系の基礎
工学系のプロダクトデザイン学部では、理工学系の基礎科目を学びます。
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図学
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力学
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機械力学
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材料力学
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微積分学
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線形代数
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etc…
経済学系の基礎
プロダクトデザインは市場把握が欠かせないので市場の実態把握方法や販促方法などを学問として学びます。収益の上げ方なども必要な観点です。
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マーケティング
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社会調査法
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ゲーム理論
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ビジネスモデル論
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etc…
基礎教養
理工系のデザイナーとして学ぶと良い基礎教養を学びます。
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哲学
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認知心理学
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美学・美術史
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行動科学
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etc…
大学を卒業するためには、デザインに関する事だけでなく、理工学、経済学、基礎教養などを必修科目として単位取得する必要があります。なのでデザイン以外の学びを得ることができます。
自分の意志次第で選べる進路
例えプロダクトデザイナーになれなくても、理工系で学んだことを活かして設計者になるこもできます。また、提案力を活かして企画職に就くこともできます。事務職にも就くことができます。
就職試験で、自身の学びをどう活かせるかがアピールできれば、どんな職種でも目指せると考えています。
実際に私の大学では、デザインの授業で培った提案力やプレゼンテーション能力を活かして、玩具メーカーの商品企画職や電機メーカーの商品企画職に就いた人もいます。また、工学の授業で培った知識とデザインの素養を組み合わせて、オフィス用チェアの機構設計職に就くなど、デザイナー以外の進路先も期待ができます。個人的にはデザインと機構が表裏一帯となった椅子の設計開発職などの分野では、工学系プロダクトデザインの経験が強く活かされると考えています。
最後に
いかがでしょうか。
プロダクトデザイナーを目指さなくも、大学で学んだことを活かして、様々な職種に就くことができます。デザイナーの専門教育を受けて、自分には不向きだと感じたとしても方向転換をして、自分に合った進路先を選択することができます。
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