スケッチのこと

プロダクトデザインスケッチ。上達への近道、意識すること3つ。

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スケッチのこと
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この記事では、プロダクトデザインのスケッチを上達させるために意識したいことを3つ紹介しています。頭では分かっているはずなのに、つい意識が飛んでしまうことをまとめています。この内容を理解して使いこなすだけでスケッチは、かなり上達すると思います。

スケールを気にして描く

スケール感を気にして描くだけで、よりリアルにスケッチを描くことができます。テレビのリモコンを例にとってみると、「手にもって使うものだから全長はこのくらいで、そうするとボタンのスケールはこのくらい」という具合に操作したり、使用することを考えると、必然的にそれぞれのパーツのスケール感が決まってきます。そのスケール感を頭の中でイメージしながら書くと、よりリアルで「それっぽい」スケッチに進化すると思います。


リモコンだけでなく家具も同様です。例えば椅子の場合、「座面の高さ、座面の奥行、座面の幅、背もたれの高さ」など、人体寸法に即してサイズが決められています。明確な意図があれば良いのですが、「椅子の脚が短くなっちゃった」「座面奥行きが大きすぎちゃった」など、自分の意図しないスケッチにならないようにスケールはシビアに意識して描くと良いです。

パースペクティブを気にして描く

パースがとれるだけで、グッとスケッチがうまく見えます。私たち人間の目は、遠近感を感じることによって空間認識をしています。そのため、手前のものは大きく、奥のものは小さく見えています。なので、紙のような二次元上のキャンバスにデザインスケッチを書く際は、人間の目と同じような見え方でスケッチを描くことがセオリーです。パースが崩れていると、普段見ている景色と異なり違和感を感じやすくなってしまいます。アイディアを伝える相手に一度違和感を感じさせてしまうとアイディアの内容が伝わらなくなってしまうことがあります。パースペクティブをきちんと取ることは、デザインスケッチ向上の最初の関門といえるでしょう。

見えない線を意識する

見えない線とは、肉眼では見えていないけど、モノを成り立たせている実際の外形ラインのことを指しています。そのデザインが物理的に成り立っているかを暗に説明する要素となります。
下の立方体のスケッチをご覧ください。

実線で書いているのが肉眼で見える線。点線で書いているのが肉眼では見えないモノを成り立たせている実際のアウトラインです。これは立方体を成立させるために必要不可欠なラインです。このラインが交差するはずの頂点で線が合わないと立方体は成立せず、きちんとかけて描けているように見えても、実際は形が崩れているのです。

今度は身の回りのものに目を向けてみましょう。皆さんがいつも利用する電車の吊り革を題材にします。
吊り革は、金属のフレームに革が吊るされ、そこに樹脂の持ち手が取り付けられている構成です。樹脂の持ち手を吊るすには革をくくりつける必要があります。革をくくりつけるに、革を通すための穴が必要です。どのくらいの穴の大きさで、どのくらいの肉厚が残るでしょうか?正面からは見えませんが、確かにそこにあるはずです。見えていないけれども、物理的に吊り革がどうなっているか、人は無意識のうちに察知しています。吊り革が通される穴の径や残りの肉厚分を考慮して、スケッチを描くとより具体的で考えられているスケッチといえます。このように物理的な仕組みや成り立ち、形を理解したうえでスケッチとして表現できると絵がリアルに見えてきます。

最後に

工業デザインは、幻想や妄想だけで製品が完成するわけではないので、物理的に実現可能かどうかも配慮したうえでアイディアを膨らませるとより良いデザインに近づいていきます。製品をデザインするデザイナーは日用品や家電、電気機器、自動車、家具、オフィス家具などリアルで実用的なものを相手にするデザイナーなので、製品を思考するアイディアスケッチの段階からスケールやモノの成り立ちを考えながらスケッチし、表現できる訓練をしておきましょう。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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